トレド(携帯版)

画像リンク
 トレドは古都。紀元前から人が集まり栄えてきた都です。さまざまな国の領地になった経緯があり、イスラム教、ユダヤ教キリスト教とそれぞれの文化が流入し、何様式とも言えない独特の風情のある景観を作り出しています。旧市街は中心部に行くにつれて丘のように小高くなっており、城壁に囲まれたそれは遠くから見ると川に囲まれた孤島のよう。この歴史ある旧市街全体が世界遺産指定を受けています。

大聖堂

画像リンク
 トレドの大聖堂は巨大です。中に入ると天井までどれだけの高さがあるのだろうと思うくらい。トレドは様々な変遷を経て今日を迎えているので、大聖堂の内部では様々な時代の装飾を見ることができます。ロマネスク、バロック新古典主義など、まとまりがないっちゃぁないのかもしれないけど、すべての時代において人々の信仰を集めた様が見て取れます。
画像リンク
 一番大きな祭壇画。わからないけど15mくらいあるのかな。キリストの生誕から死までを描いているそうです。ほかにもカルバッジョエル・グレコなど有名な作家の宗教画が多数所蔵されています。よほどの力がないと集められないに違いない。
 スペインはかつて「太陽帝国」と呼ばれ、世界で一番力を持っている国でした。その時代にはバチカンをしのぐほどの力を持っている教会だったとか。すごいスケールの大きな話だよね。

サン・トメ教会

 ここはちっぽけな教会。でも、ある一枚の絵で有名です。

エル・グレコ「オルガス伯の埋葬」

画像リンク
 エル・グレコの代表作。オルガス伯さんが亡くなったことを描いた絵。宗教画にはよくあるんだけど、上部に天界、下部に現世を描いています。この作品は教会の中にひっそりとかかっていました。宗教画っていうのは、本来の用途に沿って見るのが一番いいのだと思う。ロウソクのわずかな光をたよりに、ふっと浮かぶキリストやマリア。そこに人々は神の姿を見るのであって、決して美術館のような明るい場所で鑑賞するようなものではないんじゃないのかな。
 この教会でエル・グレコの絵画を見ながら、そんなことを考えました。

与太話3

 トレドにいる時にマドリードで飛行機が落ちました。こんな間近で飛行機事故が起きるのは初めてだったので驚きました。ガイドさんやホテルの人も騒然。150人は死んだそうだ、なんて話も聞きました。二日ずれてたら空港閉鎖だったみたい。
 事故に遭われた方のご冥福をお祈りします。