ガタカ

ガタカ [DVD]

　近未来を描いたSFサスペンス。傑作。なぜ今まで見ていなかったのか。
　すべての適性が遺伝子の優劣で決定される未来。主人公は遺伝子的に劣っているとレッテルを貼られてしまった青年。彼には夢がある。それは、宇宙飛行士になって他の星へ旅すること。しかし、遺伝子ですべてが判断されてしまうため、夢を目指す出発点にも立つことが出来ない。そんな彼が、宇宙を目指して邁進する話。
　この映画で描かれているのは、夢を実現しようと突き進む青年とその周辺。イーサン・ホークの足掻く様がかわいそうでね。こんな社会は嫌。自分の生き方を主体的に選ぶということの素晴らしさと、夢という言葉の影に潜む犠牲の両方を描いたという点がこの映画のおもしろいところだと思う。普通は、前向きに夢を追い求めるヒーローしか出て来ないじゃない。でも、挫折して夢破れた人間も丁寧に描かれる。「やる前に言い訳を探すな」ってのも真理だし、「やって夢がかなわない人もいる」ってのも真理。でもね。個人的には、努力した人間は夢が叶わなくても近いものにはなれると思っています。
　努力したからって夢が叶うとは限らない。でも、全力で努力しないと夢は絶対に叶わない。そういうことかな。