ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ [DVD]

 アメリカのロックミュージカルの映画化。性転換手術を受けたドラァグクイーン、ヘドウィグが、自分の半身を取り戻すためにアメリカ全土を回る旅に出る物語。序盤は品がないので苦手な人は見ない方がいいと思います。注意。
 この映画はぱっと見、品がない。下品。下ネタ多い。主人公のヘドウィグも、なんていう品のないキャラクターなんだろうと思ったりする。でも、根底に流れるテーマはすごく深いし、ヘドウィグがだんだん美しく見えてくる。最初は笑っていても徐々に笑えなくなってくる。感動しました。愛ってなんでしょう。
 日本でも舞台化されてますが、音楽が非常に良いです。やたらとロックンロールしています。聞くところによると、かのマドンナが楽曲を欲しがったとか。ひところ、このサントラばっかり聞いていたなぁ。
 なかでも「the origen of love(愛の起源)」という曲は素晴らしいと思う。プラトンを下敷きにしているそうなのだけれど、歌詞を聞くだけで考えてしまう。

the origen of love(訳詞あり)


 きっと様々な人が、どこか満たされない理由の一つ。それは、どこかに自分の半身がいるかもしれないから。つい、そう考えてしまう。
 逆に言うと、自分は一人じゃないんだということ。この半身はもしかしたらいたるところにいるんじゃないか。親や友人、自分につながるすべての人が、自分の半身となってくれているのではないか。そして、自分も様々な人を支え、形作っているのではないか。
 そんなことも考えました。