未来世紀ブラジル
夏休みなのでってことではないですが、ちょっとカルトな映画を紹介しようシリーズ。見る人を確実に選ぶので注意が必要。
- 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
- 発売日: 2009/07/08
- メディア: DVD
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<ストーリー>
コンピュータによる国民管理が徹底した仮想国ブラジル。その情報管理局で、ある役人が叩き落としたハエによって、コンピュータ情報の一部が壊れてしまう。そしてその影響は、善良な靴職人をテロリストと誤認逮捕させる結果を生み出すが……。
監督はテリー・ギリアム。「12モンキーズ」や「ブラザーズ・グリム」を制作しています。
未来世紀ブラジルは、一言で言っちゃうと反体制的な映画です。仮想国ブラジルでは国民のすべての情報が国によって管理されています。究極の管理社会であり、そこには情というものは介在しません。
そんななかで、主人公の新人役人サムがある女性に恋をして、なんとか助けようとします。この主人公が本当に無力でね。頑張るのだけど頑張りきれない。でも、実際の社会のなかでは個人の力なんてそんなもんだろうな。
正直、抑揚もさほどなくだら〜っと進むし、話の展開は夢見がちな主人公がひたすら四苦八苦するだけ。2時間20分は、ちとだるい。
それでも、この映画を推す理由は、映画史に残るラストシーンであるから。本作は、最後の10分が本当に秀逸。映画全編を通して、リアリティをあまり感じられずに見ていたのに、最後の10分でリアルに管理社会の恐怖が迫ってくる。だらだら話が展開していたのは、最後の10分を輝かせるためだったに違いない。そう思わせるだけの力があります。
いい映画っていうのは、1シーンが記憶に残って離れないものだろうと思っています。それがラストシーンであれば、余韻に浸ったまま映画館を離れられる。