バルセロナ(携帯版)

 バルセロナは1992年にオリンピックが開催された都市です。それだけあって、大都市。歴史的な建築物も多く、観光都市でもあります。地元のガイドさん曰く、「マドリードは東京、バルセロナは大阪」というような関係だそうです。町の西部は山、東部は海。ちょうど坂の様になっているのがおもしろいところです。夜になると海沿いのレストランはにぎわい、人々は夜景を見ながら夕食を楽しんでいます。
 特徴的なのは町並みです。旧市街と新市街が明確に分かれていています。旧市街は5世紀くらいから徐々に発展してきたため、建物は古くからのもので路地は石畳。まるで迷路のよう。それに対して、新市街は19世紀から計画的に発展してきたため、建物は新しくて道は碁盤の目。きちっとブロックごとに分かれています。
 バルセロナと言えば、アントニ・ガウディなんですが、彼の建物はすべて新市街にあります。「新市街は19世紀から計画的に発展してきた」と書きましたが、彼の生きた時代もちょうどその頃なんですね。町が発展する時に活躍し多くの作品を残してきたため、新市街の至る所にガウディの作品を見受けられます。なんと、ふとした歩道のタイルがガウディ作。また、海岸にリキテンシュタイン作のオブジェがあったり、ミロの作った公園があったり、現代の作家まで挙げると数知れず。バルセロナの歴史はガウディを始めとする芸術家たちの活躍とともにあります。

サグラダ・ファミリア(聖家族協会)

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 ガウディの最大の作品です。何が有名かって1882年から建築しているにも関わらず、未だ完成していないことです。まだ、全体の半分くらいしかできていないため、いつできることやら。
 本当に巨大な建築物・・・・というか工事現場です。近づくと足場やクレーンがたくさん。歴史的な建築物としての外観とあまりにそぐわなくて不思議な印象を受けます。
 ここでおそらく一番面白いのは地下です。みんな上を目指すから目立たず、あまりにひっそりとそれはあります。何かというと、ガウディがどうやってサグラダ・ファミリアを作っていったのかという資料館。これは本当におもしろい。
 ガウディって人はあまり設計図ってものを描かなかったそうなんですが、その代わりに多くの模型を残しました。その模型を作る際にもHanging Model(逆さ吊りの模型)を用いて、どのような構造にすれば重量が分散されるのか、またどこに柱が必要なのかということを計算していました。これがおもしろい。「下手に計算に頼るよりも実際作ってしまったほうが正確じゃないか」という彼の言葉が聞こえてきそう。
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 つまり、重力の影響を受けて垂れ下がっている鎖やヒモは、自然とバランスの良い構造体になるということ。この構造体を逆向きに、天にそびえるように作ると無理のない建築物になる。よく考えるよね。

グエル公園

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 ガウディの作品です。バルセロナ市有の公園です。広場の雨水を集めて地下の貯水タンクに集めたり、工事の際に出た石を使って通路を造ったり、かなりのアイデアマン。
 公園入り口のトカゲの像が有名。
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ピカソ美術館

 ピカソの作品のみを集めた美術館。幼少期から青の時代まで、および晩年の作品を主に扱っています。ようは人気のあるキュビズム時代の作品あたりは、集められなかったということ(だと思う)。実はスペインで訪れた美術館のなかで、ここが一番よかったんですね。なんだろ、ピカソっていうと訳の分からない絵画の代名詞のように言われるけれども、じつは幼少期はアカデミズムにずっぽりと浸かっていて、デッサンなんて描かせるとプロ並み。それはもう本当にうまいなんてもんじゃない。その頃の作品がたくさん収められていて、今まで見たことないピカソに出会うことができる。
コレクションの一部(注:携帯禁)
 これを見るだけでも上手だよね。すごい。

与太話4

 マドリードの生ハム攻撃に辟易(へきえき)していたため、海産物を求め市場へ。バルセロナで一番おもしろかったのは、市場であると断言しても言い過ぎではないと思います。じつは旅行へ行くと必ず各国の市場へ行くことにしているんです。市場は活気に満ちあふれ、その土地の日常生活が垣間見えるもんです。
 バルセロナの市場では海産物はもちろんのこと、豚の頭やウサギも売っていました。ついつい買ったフルーツジュースが、キウイ+ココナッツ+バナナ。不思議な取り合わせだけど非常に美味でした。

与太話5

 旧市街の路地で道に迷っていると、腕に入れ墨をした坊主のお兄さんが「Do you lost?(道に迷ったのか?)」と声をかけてくれました。ついつい、「yes」と答えたところ、「俺の名前はロベルトっていうんだ。よろしく。案内するぜ。ついてきな!」 ←面倒だから日本語にします。
 旧市街っていうのは治安が良くないことで有名。しかも、時はシエスタ。警官すらも昼寝タイムです。しかも、入れ墨。さらに路地。かなり警戒しつつ、会話をしつつ、道案内されるまま。
 道中で、ロベルトが「バルセロナはどうだい?」なんて聞きます。いい所だよ、とか答えると満足げに「きれいな街だろ。最高だぜ。」そんな会話をしていたら広場に到着。「ここから先はまっすぐだ。いい旅を。」と言って握手を交わし爽やかに帰っていきました。見た目は怖かったけど、いい人。よくよく見ると右手にはフランスパン2本。よいお昼を!