最終日 (慰霊の日とキャンドルナイト)


 6/11は、震災から3ヶ月の慰霊の日です。私のボランティア最終日でもあります。
 昼には日和山山頂の神社で宮城県内の子どもたちが和太鼓の奉納をしていました。腹に響いて元気が出る。14:46には市内に放送が響き、1分間の黙祷を行いました。
 写真洗浄の作業もひとまずは最後。引き継ぎをして終わりです。


 すぐに移動をして、夜のイベントの準備です。
 この日、各地で様々なイベントがおこなわれました。そのうちの一つ。いくつかのボランティア団体で協力して、飯野川第一小学校というところでお祭りを開くことになり、私もスタッフとして関わることになりました。昼間はこいのぼりをたくさん吊って子どもたちのためのお祭りに、夜はたくさんのキャンドルに火を灯し亡くなった子どもたちのための慰霊の夜に。この企画がなぜ立てられたのかというと、その小学校には全校の7割超が亡くなった大川小学校の児童たちがいるからです。
 行ってみると、昼の祭りの後。人はほとんどいません。ボランティアがちらほらいるだけ。上を見上げると無数の鯉のぼり。数百匹はいるだろうなぁ。見てるだけで元気出るわ。ここが会場か。
 来ましたよ〜って声をかけると、大仕事を頼まれました。美術が専門だからお願い!ってことで、キャンドルの配置をやってくれと。まぁ本当は、他のメンバーが頼まれたんですけど、「あの人、美術の専門家ですよ!!」って巻き込まれたっていうのが正解。でも、役に立てるなら嬉しいです。
 主催者の意向は自然とみんなが輪になるようにしたいということ。どうしようかって話をして、中心に背の高いキャンドル、周囲に子どもたちが絵とメッセージを描いたキャンドルカバーを配置してみました。子どもたちのメッセージを見ているうちに自然と輪になるかなって。明かりを灯し始めると、あ、風が強いどうしよう。みんなで必死に灯します。気がつくとボランティアも地元の方も総出。こりゃ、楽しい。
 ちょうどタイミング良く、ずっと手伝ってくれて仲良くなった地元の人たちが遊びに来てくれました。あ、奥さんは初めてだ。はじめまして。最後の日にこんな楽しい時間を過ごせるなんて嬉しすぎるな。涙が出そう。
 みんなでわいわい火を灯すなかで、一人の男の子が少し離れたところでキャンドルを文字の形に配置していました。「ガンバロウ」。一人で黙々と灯しているんだけど、端から消えてしまう。ちょっと手伝わせてもらっていい?と声をかけ一緒に灯しました。どんなことを考えて、ガンバロウって書いたのかな。・・・亡くなった友達に向けてかもしれないよね。
 灯し終わると、現地の人々とボランティア、みんなできれいだね〜って話をしながら見てました。自然と輪になり、手を合わせ黙祷を捧げました。涙を浮かべている方もいました。自然とキャンドルの火と亡くなった人たちを重ねて見ていたように思います。


 全てが終わって帰る時に、一緒に活動したメンバーで集まって話をしました。
 チームワーク良かったよね。
 来週からも負けませんよ。
 楽しかったよ。
 また、一緒にやりましょう。
 うちの旦那は毎日楽しそうでしたよ。
 また、来て下さい。
 お互い、頑張りましょう。


 最後に地元の方が言った一言が心に残りました。
「きっと地元の私たちが頑張って、それをボランティアの皆さんが手伝ってくれるっていう形がいいんだと思います。」


 それはきっと今は難しい。でも、みんなに元気が戻って、早くきれいな町並みに戻らないかな。本当に多くの人が関わってくれないかな。そう思います。