「絵を描く悦び」千住博

 千住博さんという日本画の作家さんがいます。今は京都造形芸術大学の学長でもあります。代表作は「ウォーターフォール」シリーズ。作品を見たい方は公式サイトがありますので、ぜひぜひ見てみましょう。
Hiroshi Senju Studio(注:携帯禁)

 その人が考える。「われわれはなにのために絵を描くのか」

千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)

千住博の美術の授業 絵を描く悦び (光文社新書)

 この本は、絵を描く学生にはぜひ読んで欲しい。先週購入しましたが、一気に二回読みましたよ。
 この本のなかで千住博さんは、絵がなくては生きていけないと言っています。それほどまでに人の生き方と密接に関わってしまう「絵」っていうのは、一体なんなんでしょう。絵を描くっていうことはどういうことなんでしょう。考えたことはありますか? おそらく、絵を描く人間にとって、自分がどのように生きていくのかということと、制作するということは切っても切り離せないことです。それは、自分の作品には否応無しに生きてきた道程が現れてしまうからです。
 これからどのように生きていくのか。どのように芸術と向き合っていくのか。この本を携えて、考えて欲しいと思います。ま、最後の一章は千住博さんの日本画についての愛情ゆえに、少し押し付けがましいかなとは思います。そこは愛嬌ということで。読者は、自分に合った素材を選べばいいんじゃないのかな。