旅行に際して
旅に出る時には本を携えて出かけることにしています。サイズは邪魔にならないように、存在を主張しすぎないように文庫版がいい。娯楽小説よりも文学やルポタージュがいい。いろいろと考える手助けになるから。
海外へ行くと、言葉もよく分からず悪戦苦闘することになります。そんな時に日本語に出会うと、ほっとする。日本にいる時にはとくにどうとも思わなかった言葉が、すっと心に染み込んでくることがある。なんていうんだろう。海外に行けばこそ、自分が日本人だということを強く感じる。学生時代に海外をさすらっていた時には、たまたま出会った日本人旅行者の持っていたCoocoの曲を聞いて泣いたものです。余談ですが。
今回は、この本を持って行こうと思います。
- 作者: 辺見庸
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/06/20
- メディア: 文庫
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本書では、ジャーナリストでもある著者が、世界中のきわどい食べ物を食べに行く。パキスタンの屋台の残飯、チェルノブイリ*1の放射能汚染スープなど、とても食べたいとは思えないものばかり。でも、それを食べて生きている人たちが世界にはいるんだよね。読んだ時には、「おいおい、さすがにそこまでやらなくても」って思ったんだけど、食べるという行為には否応なく生活のすべてが現れる。それを体験することで、少しでも彼らの生活に肉薄したいということなんだと思う。
さすがに10年前に読んだ本。細部は覚えていません。旅行の間、じっくり楽しみたいと思います。