「キーン KEAN」@天王洲銀河劇場

http://www.horipro.co.jp/ticket/kouen.cgi?Detail=109 (注:携帯禁)
http://eplus.jp/sys/web/theatrix/special/kean.html (注:携帯禁)
 友人からチケットがあるので見に行かないかと誘われ行ってきました。
 実在のシェイクスピア俳優を市村正親さんが演じる喜劇、というのでどんなものになるのか楽しみでした。いやぁ、一流の役者さんって発声がきれい。声に張りがあって、滑舌が良くって。
 実在の役者を現代の役者が演じる。そのため、劇中劇が多数あって不思議な舞台です。市村さん演じるシェイクスピア劇を正面から見る場面があったり、裏手から見る場面があったり。後半に行くにつれキーンの葛藤が明らかになるのですが、役者の苦しみを全身から絞り出すような演技。見事でした。
 また、演出も劇のテーマと合っていて楽しめました。カーテンコールでは、すべてのセットが一瞬で取り払われ、出演者の方々が稽古着で挨拶に出てきます。普通だったら演技したまま幕が閉じるのでしょうが、役者の方々が素の姿で登場することによって、「われわれは今まで役者を見ていたんだな」と夢から覚めたような気がしました。役者が演じた役者、劇の中の劇、どこまでが現実なんでしょう。難しいテーマに挑戦した結果、おもしろい劇が出来上がったと思います。
 一点、残念だったことはシェイクスピアをよく知らないこと。シェイクスピア作品からの引用が多かったので、そちらの教養があればもっと楽しめたのだろうな。