「チャロー!インディア:インド美術の新時代展」@森美術館

MORI ART MUSEUM [チャロー!インディア]


 今回はインドの現代作家たちにスポットを当てた展覧会が企画されました。森美術館5周年を記念した展覧会だということからも、どれだけ力を入れたものなのかが分かります。なぜ、インドなのか。インドは中国と並んで、経済成長率が非常に高い国です。3〜40年後にはGDPが日本を抜いて世界第三位になるんじゃないかと言われています。(ちなみに、その頃の一位は中国だという試算)
 このように、経済の面からも世界的に重要な国の一つであり、これから存在感を増していくでしょう。だからこそ、森美術館がスポットを当てたのではないかと感じます。


 まぁ、私もインドには三ヶ月くらいいたもんで、思い入れがたっぷりとあります。懐かしさに駆られつつ、近年はどのような芸術が花開いているのかを観てきました。
 今回の展覧会は一言で言ってしまうと、「難しい」です。多少、インド文化を知っているからこそ理解できる部分が多いものの、何も知らない人が見たら分かりづらい。チープにしか見えないんじゃないかと思います。全体的に、作家がテーマとして持っているのは「猥雑さ」「混沌」といったところだと思います。ゴミを大量に使った作品が多くあるのですが、納得。インドと言えば貧富の差の激しさ。スラムなどはゴミがあふれているんですね。あとは、映画が盛んに作られているので、そこから生まれた作品もありました。皮肉っているのか、独自の進化を遂げた芸術なのか。


 今まで観ていた西洋や東洋の芸術とも違います。非常に興味深い。新しい感性から生まれた作品を観たい方はぜひ。入り口を入ってすぐに展示されている象は良かったなぁ。


 どのような作品が展示されているか見たい人は、こちらに作品が載っています。