いまさらながら、「借りぐらしのアリエッティ」を観ました。


映画『借りぐらしのアリエッティ』公式サイト

<ストーリー>
14歳の小人の少女・アリエッティは、人間に見られてはいけないという掟の下、郊外にある古い屋敷の床下で、人間の生活品を借りながら、両親と密かに慎ましく暮らしていた。そんなある日、その屋敷に引越してきた病を患った少年・翔に自分の姿を見られてしまい、アリエッティは外の世界で暮らすことを余儀なくされる。


 いまさらですが、ジブリの作品です。そうだなぁ。感想を言ってしまうと「おもしろかった!」って感じですかね。宮崎駿高畑勲監督じゃない作品で、ここまでの質のものって「耳をすませば」以来じゃないのかなぁ。
 今回、ちょっとなぁと思ったのはストーリーだけ。他はすごく良かった。なんだか、こき下ろすような感想もネットでは散見されますが、よく理解できない。ここ数年の宮崎駿監督よりも、美術と音響は優れていると感じました。
 美術はすごく良かったです。背景の質の高さったら秀逸。映画の世界にぐいぐい引き込まれましたもの。音響もいつになく凝ってました。いつもはあまり音が動かないなぁなんて思ってましたが、今回は音が回る回る。一番感心したのは雨が降り出すシーン。前のシーンが暗転して、ぱっと雨が降り出すところで、シーンが始まるコンマ数秒前に「ザー」って音が入り始めていたと思います。こういう演出はいいよなぁ。素敵。


 まぁ、ストーリーはもうちょっと・・・と思ったものの、書いていたのは宮崎駿だったっていう落とし穴。う〜ん。
 とりあえず、今回は人間が大きな怪物であって、小人たちが主人公。だから、人間の内面描写がなかったのはいいと思うんです。これで人間の内面描写をしてしまうと、小人との違いが分からなくなって混乱してしまう。そんな観点から、人間の演出は良かったなぁ。ショウの「こわがらないで・・・」は、ぞっとするしね。いや、怖いよ・・・みたいな。まさに、巨大な怪物。
 いろいろと感じたんだけど、きっと、ジブリの若手たちがイメージした、ジブリアニメを作ったんだろうなぁって思いました。巨匠宮崎駿が作り上げたものへのオマージュと挑戦というかね。ぱっと見、往年のジブリ風なんだけど新しい試みが多く込められていたような気がします。


 これは、来年の作品が逆に楽しみだなぁ。どんなジブリの形を見せてくれるのだろう。