日本民藝館と駒場公園

art-study2008-10-18

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 日本民藝館という美術館があります。柳宗悦(やなぎむねよし)という人によって第二次世界大戦以前に創設されました。どういう美術館かというと、民芸品を収蔵しているところです。そして、民芸品とは何かというと、「民衆的な工芸品」だそうです。
 柳宗悦という人は「民芸品」という言葉を考え、「民芸運動」というものを提唱しました。では、民芸運動ってなんでしょう。簡単に説明してしまえば、「今まで気にも留めてなかったけど、日常生活で使っている、なんてことない器とか箸って美しいんじゃないの? ちょっと見直してみようよ。」って言ったんです。美術館などで飾られている有名な作家の作った見た目の美しい美術品もいいけど、日常使うような物にも使いやすさを考えて作られたことから自然と生じる美しさがあるんじゃないか。そう考えました。これを「用の美」と言い、民芸運動の核となりました。
 そして、日本民藝館とは、柳宗悦が用の美を理解してもらうためにたくさんの民芸品を収集した美術館なんです。


 それは、閑静な住宅街にあります。館内は古い日本の家屋そのまま。入るためには、靴を脱いで上がらなければなりません。スリッパでパタパタと歩き回るのですが、いたるところに、畳や床板の匂いが立ちこめています。なんか懐かしい匂い。ん〜、言うなれば、おばあちゃんちの匂いかな。
 私が行った時には「韓国の鍵と錠」を特別展として展示していました。作りがすごくきれい。コレクション自体は好みが分かれるかもしれませんが、あの独特の空間は何にも代え難い。所々に置いてある椅子で休んだりしながら、一時間くらいかけて回りました。



 そして、見終わってから。
 そのまま帰るのは惜しいので、裏手の駒場公園を散歩しました。
 園内には和館と呼ばれる、旧前田侯爵の日本家屋があります。書院造りで茶室などがあるのです。無料で入れるんですが、ここの日本庭園が素晴らしい。別に丹念に作り上げられた庭園という感じはしないのだけど、無理のない庭なんですね。ぼ〜っとしていると、都会にいることを忘れてしまう。物思いに耽るのは得意です。30分くらい居たかなぁ。

 同じように庭を見ながら休んでいる人がいました。こういう空間が都会にあるということが大切だよね。ビルなどの建物だけでは息が詰まってしまうのも。


 いろんな街を当てもなくプラプラするのって、本当に楽しい。その後、池尻大橋のほうまで散歩したりしたのだけど、それはさておき。
 すごく贅沢な時間を過ごせました。大きな美術館で企画展などを見るのも良いけど、たまには私設美術館へ行ってみてはいかがでしょう。