「ウィキッド」@電通四季劇場「海」


http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html
 千秋楽間近、見てきました。
 ウィキッドは「オズの魔法使い」の隠されたストーリーとして、北の良い魔女・グリンダと西の悪い魔女・エルファバとの知られざる友情を描いています。グリンダは美人で誰からも愛されるけれども、実は魔法を使えず意思のない女性。エルファバは緑色の肌ゆえに皆から嫌われるけれども、魔法の力を持ち意思の強い女性。正反対の二人が友情を育むなかで、世界と戦う決心をします。
 印象的だったのは、エルファバが魔法の力で世界を変えようと皆を幸せにしようとするのだけど、少しもいい方向へ変わらないことです。しかし、その強い力を捨てる決断をした時に、初めて幸せが訪れます。そこで初めて観客は
「そっか、世界を変えるには、人を幸せにするのには、魔法の力なんていらないんだ」
ということに気づかされるんですね。結局、人の意思の強さが何事もいい方向に変えていくんですね。
 幕が下りた瞬間に、客席からは大きな拍手。再び幕が上がり、出演者の挨拶。また、幕が下り、さらに大きな拍手。カーテンコールってやつですね。それを幾度となくくり返し、その度に観客の立つ数が増え、最終的には劇場内の観客すべてからのスタンディングオベーションでした。役者さんの感激している姿が印象的でした。
 セットは大掛かりだし、演出も豪華。歌も演技も素晴らしい。まぁ、英語の歌詞を日本語に訳してミュージカルっていうのは無理が生じるなぁと思いつつも、納得の舞台でした。いやぁ、良かった。