「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展@21_21 DESIGN SIGHT


21_21 DESIGN SIGHT

 ずっと見に行きたかった展覧会。ついに行ってきました。今回は深澤直人のデザインした作品と、それを撮り続けてきた藤井保の写真を、同じスペースで展示するという試み。「OUTLINE(輪郭)」をテーマにした展覧会です。
 深澤直人さんの作品については、こちらで軽く書きました。すごくシンプルなデザインをする方です。言い方を変えると、物事の本質は何かということを常に考え、無駄をそぎ落としたデザインをしていると言ってもいいかもしれません。
 本展覧会では、代表作が展示されていましたが、その方法がおもしろい。会場の入り口にはバスタブが展示されているのですが、無造作に照明の前に置かれている。照明が強いため、遠くから見ると輪郭がぼ〜っと浮かび上がるようにしか見えないんですね。近づくとバスタブなんだということが分かるのですが、その形体の優美さや輪郭の美しさからオブジェのようにも見えて不思議。鑑賞者に輪郭や形体を意識させるように、あえてその展示方法をとっているのでしょう。
 他の作品もおもしろい展示方法です。深澤直人の作品が台上に置かれ、後ろの壁面にはそれを写した藤井保の写真が掛けられている。本質をつきつめたデザインの作品であるのに、さらに本質のみを切り取ったような構成的な写真。そのコントラストの妙といったら、なかなか見られません。たとえば、上の写真は座椅子の写真。フォルムと質感にこだわった椅子を、そこのみを切り取って写し出すような視点は、はっとさせられます。
 来年、1/31まで。デザインを志す人間であるならば、この機会は逃すべきではない・・・とまで思います。ぜひぜひ。