アマデウス
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/06/11
- メディア: DVD
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<ストーリー>
凍てつくウィーンの街で自殺を図り精神病院に運ばれた老人。彼は自らをアントニオ・サリエリと呼び、皇帝ヨゼフ二世に仕えた宮廷音楽家であると語る。やがて彼の人生のすべてを変えてしまった一人の天才の生涯をとつとつと語り始める。
1984年の作品でアカデミー賞の8部門に輝きました。監督は先日紹介した「カッコーの巣の上で」の ミロシュ・フォアマン。
ところで、タイトルのアマデウスというのは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのことです。この物語のモーツァルト像というのは、下品で浪費家。生活破綻者です。そんなモーツァルトの才能に嫉妬するサリエリを軸に物語は展開します。
サリエリは葛藤します。自分は神にすべてを捧げると誓ったのに、少しの才能も与えられない。それなのに、どうしてあんな下品な若造に神は才能を与えたのかと。葛藤は神への疑いに変わり、モーツァルトへの憎しみを決定付けます。
全編を通して、老人サリエリの独白という形で映画は進むのだけど、この老人の役者さんがすごい。モーツァルトへの割り切れない愛憎を表情だけで余すことなく表現しているんですね。不幸なのは、サリエリが一番の理解者であるということ。憎みつつも才能に惹かれてしまう。天才っていうのは、そういうものかもしれませんね。