「メタボリズムの未来都市展」@森美術館(六本木)


メタボリズムの未来都市展:戦後日本・今甦る復興の夢とビジョン | 森美術館
 1960年代の高度経済成長期に「メタボリズム」という建築運動がありました。都市は新陳代謝をくり返し成長していくという思想のもと、何人かの建築家を中心に様々な分野の専門家を巻き込んで取り組まれた活動です。
 1960年代っていうと、もう半世紀も前だけど今でも彼らの思想は受け継がれているんですね。先日、紹介しましたが、今年のベネチアビエンナーレ国際建築展でも見直そうという動きが出ているくらいです。
 さて、ここからは軽〜く書いてみますが、もう彼らの発想っていうのが突き抜けちゃってていいんですよねぇ。東京湾を埋め立てて高層建築を作っちゃおう!とか、一軒家を高層建築に乗せちゃえ!とか、空中都市を作ろう!とか、ちょっとお馬鹿。でも、それもそのはずで、実現可能だと思ってプランを立ててないんです。建築の世界って、できるわけないけどこういう考え方があってもいいよねっていう発想でいくつものプランが提案されます。言ってみれば、世の中をこういう方向に変えたら良くなるんじゃない?っていうこと。
 実現した建物も多くあります。広島原爆資料館、南極昭和基地大阪万博会場などなど。時代は違いますが、東京都庁国立新美術館などを含めてもいいかもしれません。
 今改めて見ると、彼らのプランが一番生かされたのってアニメの世界かもしれません。多いかぶさるような大きな建物があってさ。その建物がグイングイン動いたりする。そんなアニメを見た子どもたちが、ああいう世界を作りたいって夢想して世の中はきっと作られている。
 ま、模型や映像がたくさんあって面白い展覧会です。難しいことを分かりやすく展示しているのはいいなぁ。興味があればぜひ。HPを読むだけでも面白いですよ。