「柳宗理展 ー手で考え、そして生まれたデザインー」@横浜美術館

 所用により芸大横浜校舎へ行く機会がありましたので、行きがけに立ち寄ってみました。
http://www.apt.co.jp/apt/contents/exhi/yanagisori/yanagisori.html
 横浜という土地と柳宗理は縁が深く、横浜市営地下鉄には多くの柳作品があります。たとえば、これ。

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ベンチと水飲み場ですね。
 さらに、もう一つ。

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背もたれサポーターです。今では多くの駅で類似品を見かけることができますが、オリジナルは柳宗理です。


 今回の展覧会は、作品数は少ないのだけど見応えのある展示方法で、非常に興味深く見ることができました。
 柳宗理のデザインへのプロセスは変わっていて、鍋などを作る際には図面だけではなく、必ず同じ大きさの石膏模型を制作するのだそうです。彼曰く「手で削り出すことによって生まれる微妙な曲線の美しさ」が図面だけでは職人へ伝えられないとのこと。今回の展覧会ではその石膏模型が多く展示されています。いやぁ、今回初めて見ました。とても石膏の固まりから削り出したとは思えない。素晴らしい。
 「手で考え、そして生まれたデザイン」というサブタイトルからも分かる通り、彼の制作プロセスを解き明かすということに主眼を置いた、小規模ながらも充実した展覧会でした。石膏模型あり、図面あり、彼の工房の内部を再現したコーナーもあり。横浜へ遊びに行くことがあったら是非立ち寄るといいと思います。開港博もやってるしね。うん。ちなみに喫茶コーナーでは「バタフライスツール」などの有名な椅子にも実際座ることができるので、忘れずに寄ると良いですよ。


 ・・・と、ここまで長々と読んで
「そもそも柳宗理って、誰?」
っていう人は、過去に書いた日記がありますので、そちらをどうぞ。
2008-10-18 - アートレビュー